原油上昇が響き、3年ぶりの貿易赤字
財務省は2018年の貿易統計速報で、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が1兆2033億円の赤字となったと発表した。年間を通じて貿易収支が赤字となるのは3年ぶりで、原油価格の上昇が響く結果となった。2018年の輸出額全体は前年比4.1%増の81兆4866億円で、輸入額は同9.7%増の82兆6899億円だった。対米貿易でみると、黒字額は同8.1%減の6兆4548億円となり、2年ぶりに減少したものの、依然高い水準にあり、日米貿易摩擦の危惧は払拭できていない状況にある。

スマホ等の廃棄電子ゴミ、4850万トン
国連環境計画など国連7組織と世界経済フォーラム(WEF)は、世界で廃棄されたスマホやパソコン、家電などの電気電子機器のゴミ(イーウェイスト<e-waste>)は年間4850万トンとする推計を発表した。報告書等によると、電子ゴミのほとんどが中国、日本、米国、EU諸国などから排出され、排出量が最も多い中国では2016年に720万トンに上った。また、毎年排出される電子ゴミの素材としての価値は625億ドル(約6兆8500億円)相当になると指摘した。

女性議員ゼロの地方議会は2割以下
内閣府男女共同参画局の集計によると、全国に1788ある地方議会で、女性議員のいない地方議会は349あり、全体の19.5%だった。都道府県議会で女性議員ゼロはなかったものの、町村議会での女性議員ゼロは306で全体の約3分の1を占めた。都道府県別に女性議員ゼロ議会の割合で最も高かったのは青森(48.6%)で、奈良(37.5%)、沖縄(35.7%)が続いた。2018年に成立した「政治分野の男女共同参画推進法」では国と地方の議員選挙で男女の候補者数ができる限り均等となるよう求めている。

コンビニ売上高、13年連続で最高更新
日本フランチャイズチェーン協会の発表によると、2018年の主要コンビニの全店売上高は前年比2.9%増の10兆9646億円となったことが分かった。13年連続で過去最高を更新したことになる。好調な売上高を記録した背景には、単身世帯の増加や少子高齢化に応える惣菜やカット野菜など「中食」商品の売上げが伸びたことに加え、健康志向に対応した品揃えが奏功したとみられる。

外国人労働者数、6年連続で最多更新
厚生労働省の2018年外国人雇用状況(2018年10月末)によると、国内の外国人労働者数は前年比14.2%増の146万463人となったことが明らかになった。6年連続で最多を更新しており、この10年で約3倍に増えている実態にある。とくに技能実習生や専門的な知識・技術を持つ労働者や留学生の受け入れが進んだとしている。国別にみると、1位は38万9117人の中国で、2位は31万6840人のベトナムだった。増加率が首位のベトナムが31.9%で急増している。

外食産業の売上高、4連連続プラスに
日本フードサービス協会は2018年の外食産業の売上高は前年比2.3%増となり、4年連続でプラスだったと発表した。業態別にみると、ファーストフードが3.3%増となり、客単価の引き上げに取り組んだ日本マグドナルドが牽引役となり、寄与した。また、ファミリーレストランは1.3%増となり、このうち焼肉が5.6%増となったものの、パブ・居酒屋は宴会の減少が影響したことで、1.5%減となった。

空き家撤去費の全額回収は1割止まり
総務省がまとめた地方自治体の空き家対策に関する調査結果によると、倒壊の危険がある空き家を行政代執行で撤去した費用を所有者らから全額回収した事例は1割にとどまることが分かった。空き家対策特別措置法に基づく行政代執行や略式代執行の実績がある37市区町村の48事例を対象に調べたもので、跡地売却するなどして全額回収ができたのは10.4%、自治体が全額負担したケースは27.1%もあった。背景には、所有者に支払い能力がないことなどが挙げられている。

家計資産残高、過去最高を記録
内閣府は2017年度時点で一般家庭や自営業などを合わせた家計の資産残高は2976兆6千億円になったと発表した。6年連続での増加で、現行基準となった1994年以降で過去最高を記録した。株価や土地価格の上昇が背景にある。家計資産残高に、政府や法人さらに金融機関などを加えた国全体の資産から負債を差し引いた、いわゆる「国富」は3383兆7千億円となった。