国の借金、最高更新の1220兆円に

財務省の発表によると、今年6月末時点での国債や借入金の残高を合計した「国の借金」は1220兆6368億円だったことが明らかになった。3月末時点から4兆1735億円増加し、過去最高を更新した。背景には、新型コロナウイルス対策での財政出動や高齢化で膨らみ続ける社会保障費の増加を税収で補うことが叶わず、借金への依存が増していることが挙げられている。国民1人当たりに換算すると、借金は約992万円に達している。

経常収支の黒字、前年同期比50%増

財務省は2021年上半期(1~6月)国際収支速報で、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は前年同期比50.3%増の10兆4675億円の黒字だったと発表した。内訳をみると、自動車や部品の輸出が好調だったことを反映した貿易収支は2兆3143億円の黒字、企業が海外から受け取る配当金の収入を示す第1次所得収支は過去最大の11兆4406億円の黒字、旅行や輸送などの取引収支を示すサービス収支は2兆909億円の赤字となっている。

IPCC、温暖化の原因は「人間の影響」

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の作業部会が地球温暖化の科学的根拠をまとめた報告書で、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地はない」と断定した。さらに、報告書では、「気候システム全般にわたる最近の変化規模と、気候システムの側面の現在の状態は何世紀も何千年もの間、前例のないものだ」と指摘している。その上で、報告書では「海面水位が今世紀末までに2メートル上昇することも排除できない」と警告を発している。

コロナ禍の中で、消費回復に地域差

総務省が家計調査を基に分析したところ、コロナ禍で消費が低迷する中で、大都市や中規模の都市では消費は持ち直し基調が見られたが、人口の少ない小都市などは回復が鈍く、地域で差が出ていた。2人以上世帯の消費支出を、東京23区と政令指定都市を「大都市」、それらを除く人口15万以上の市を「中都市」、人口5万人以上15万人未満の市を「小都市A」、人口5万人未満の市と町村を「小都市B・町村」に分類し、コロナ禍以降の1カ月名目消費支出を時系列に比較。大都市・中都市では昨年10月以降、回復基調に転じたが、人口の少ない地域は厳しくなっていた。

転職者10年ぶりに減少に転じる

厚生労働省が総務省労働力調査を基に、2020年の転職者を調べたところ、前年比32万人減の319万人だったことが分かった。10年ぶりに減少に転じた背景には、新型コロナウイルス感染拡大の中で、上限額や助成率が大幅に拡充された雇用助成金の活用で従業員に支払った休業手当が一部補てんされたことから転職減につながったとみられている。転職者はコロナ前の2019年に2002年以降で最多の351万人まで増えていた。

都道府県の最低賃金改定、平均930円

厚生労働省が発表した2021年度の都道府県ごとに決める地域別最低賃金の改定額の全国平均額は28円増の時給930円となったことが明らかになった。先に中央最低賃金審議会は引上げ目安額を28円として、都道府県に示し、地方の最低審議会で検討の上、決定されたもの。引き上げ額は島根の32円が最も引き上げ幅が大きく、秋田と大分が30円、青森・山形・鳥取・佐賀が29円となり、7県が中央の答申額28円を上回った。改定後の時給最高額は、東京の1041円、最低額は高知と沖縄の820円となった。改定の最低賃金は10月から適用される。

4~6月期GDP、年率1.3%増に

内閣府は2021年4~6月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0.3%増だったと発表した。年率換算すると年1.3%増となる。プラス成長は昨年10~12月期以来、2四半期ぶりとなる。増加に転じた背景には、米国や中国での経済拡大に伴い、自動車をはじめとした輸出が好調だったことが挙げられている。一方、新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が響き、個人消費は2四半期ぶりに増加したとはいえ、依然、弱含みで、景気の本格的な回復に程遠い。

母親の食事手作り「必要はない」が75%

日本世論調査会が行なった「食と日本社会」を巡る世論調査によると、家で食事を作る人の性別を尋ねたところ「どちらかといえば」も含め87%が「女性」と答えていることが分かった。また、母親は手作りするべきかどうかを尋ねたところ、75%の人が「必要ない」と答えた。さらに、今後の日本社会で、母親ら女性の手作りに拘る考えは「減っていく」が59%に上り、半数を超えていた。食品ロス問題で気をつけていることを尋ねたところ、最多は「余分な食品・食材は買わない」(77%)だった。