10月、円買い為替介入は最大の6兆円

財務省の発表によると、政府・日銀が外国為替市場で10月(9/29~10/27)に実施した円買いドル売りの介入額は6兆3499億円だったことが分かった。9月の円買い介入に続き、2カ月連続で過去最大を更新した。10月21日介入した時点では約32年ぶりの1ドル=151円94銭の円安水準にあり、介入後の週明けには円が急騰したものの、10月31日時点では148円台で取引される円安水準が続いた。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は11月2日、政策金利を4回目となる引き上げで0.75%引き上げた。

規制見直し案で原発運転80年運転可能

原子力規制委員会は原発の運転期間を「原則40年、最長60年」とする現行制度の撤廃する政府方針を踏まえ、長期運転の安全を確保する規制見直し案をまとめた。規制見直し案では運転開始から30年後から10年ごとに設備の劣化評価を義務付けて規制委員会が運転を認可するとしている。今回の見直し案に基づき、最長の60年を超える場合でも、安全確認ができれば80年運転稼働も可能となる。老朽化した原発の安全性をどう確保するかが問われる。

7年ぶりに冬季の節電要請を決定

政府は全国の家庭や企業を対象に12月1日から来年3月31日までの期間、節電要請を正式決定した。全国を対象にした冬季の節電要請は2015年度以来7年ぶりとなる。電力の供給能力を示す予備率が最低限必要とされる3%を確保できる見通しにあることから、無理のない範囲での節電協力を求めている。しかし、ウクライナ危機を背景とした液化天然ガス(LNG)の安定調達に先行き不安定な要素も残る。冬場の供給予備率は年明け1~2月に低くなると想定されている。

WHO、高温で死者増や食糧不足を分析

世界保健機関(WHO)は猛暑や熱波など極端な高温により死者は20年間で7割増加しているとともに、食糧不足な深刻になり、気候変動が人の健康に重大な被害を及ぼしているとの分析結果を発表した。2021年までの熱関連死者は2004年までの5年間と比較して68%増加し、食糧不足も1981年から2010年の平均と比較すると2020年に不足に陥った人は9800万人以上増えたとしている。

来年の食品値上げ、2千品目超

帝国データバンクが株式上場の主要飲食料品メーカー105社の10月末時点での動向を調査したところ、来年に値上げを予定する食品は2千品目を超えることが明らかになった。円安による輸入コスト増や電気・ガス代の上昇分を吸収できず、価格転嫁に踏み切ることが背景にある。同社の担当者は「コスト上昇圧力が解消される望みは当面薄く、来年2~3月をピークに値上げラッシュが再来する可能性が高い」とみている。年内の値上げ予定は1千目以下で一服感がみられるものの、年明けの再値上げラッシュで家計負担が一段と増すことが避けられそうにない。

ユネスコ、世界遺産の氷河消滅の危機

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は世界遺産にある多くの氷河が2050年までに消滅するという予測を発表した。氷河を含む世界遺産は、米国のヨセミテ国立公園やタンザニアのキリマンジャロ国立公園など50あるが、ユネスコはそのうち3分の1にあたる10数か所で消滅するとしている。世界の気温上昇が背景にあり、ユネスコでは「産業革命前の1.5度に抑えられれば、残りの3分の2はまだ保護できる」とした上で、アズレ事務局長は「行動を求める報告書だ」と二酸化炭素排出量の迅速な削減を求めた。

女性の34%、仕事と育児の両立が理想

国立社会保障・人口問題研究所が結婚していない18~34歳の男女を対象にした「理想のライフコース(人生の略歴)」として「仕事と子育ての両立」を望む女性の割合が34.0%となり、過去最多になった。前回調査(2015年)より1.7ポイント増加している。また、男性が将来パートナーに期待する理想像も女性と同様に「仕事と子育ての両立」を望む割合が39.4%に達しているおり、男女ともに、子どもを持って仕事を続ける「両立」を理想とする男女の姿勢がみられた。

中3の6割超がキャッシュレス決済を利用

金融経済教育を推進する研究会が中学3年生の生徒を対象に金融教育実態調査で、キャッシュレス決済を利用している生徒は61.8%に上ることが分かった。キャッシュレス決済のメリットを尋ねたところ(複数回答)、「すぐに支払いが完了する」(85.1%)、「おつりが発生しない」(75.1%)が上位を占め、デメリットでは「カードの紛失で他人に利用される恐れがある」(54.2%)、「利用できない店がある」(45.9%)が挙げられた。