2050年、温室ガス排出ゼロを首相が表明

菅首相は、臨時国会での所信表明演説で、「2050年までに国内温室効果ガス排出を実質ゼロにする」と表明した。世界的に脱炭素化社会の実現に向けた取組みが加速している流れを受けたものだが、日本の2018年度温室ガス排出量はCO2換算で12億4千万トンに及び、2050年にゼロとするにあたっては、今後30年間で毎年3%の削減が必要となる。足下の現状では、東京福島第1原発事故以来、CO2排出が多い火力発電への依存が高く、2018年度の火力依存割合は77%となっている。

来年1月、核禁止条約が発効

国連は核兵器開発から使用までを全面禁止する核兵器禁止条約の批准数が発効に必要な50カ国・地域に達したのを受け、来年1月22日に発効すると発表した。不参加国は条約順守する義務がなく、米ロ中などの5大保有国や他の保有国などが参加しておらず、実効性が危ぶまれている。世界唯一の被爆国である日本は日米安全保障上の理由から条約批准には参加していない。国連のグテレス事務総長は「原爆投下や核実験の被害を受けた生存者を称えるもの」として条約発効を評価した。

WHO、コロナで〝深刻な後遺症〟を警告

世界保健機構(WHO)は記者会見で、「新型コロナウイルスは相当数の人に深刻な後遺症を残す」との警告を発した。さらに、「時間の経過の中で症状は変動して、体内のあらゆる器官に影響を及ぼし得る」ものであるとの見解を示した。WHOには入院患者と非入院患者の双方で症状が残る例が報告されているとした。会見で、具体的な症状例として、疲労感をはじめ、せきや息切れ、肺や心臓を含む主要臓器の炎症と損傷、さらには神経系や心理面での影響を挙げた。

企業の内部留保、8年連続増の475兆円

財務省は、2019年度の法人企業統計で、企業の内部留保にあたる利益剰余金は475兆161億円に上ると発表した。前年度比2.6%増となり、8年連続での増加となる。過去最高を更新した背景には、消費税増税や新型コロナウイルス感染拡大による影響で、先行き不透明感から投資を控え、内部留保を積み増している実態を浮き彫りにしている。2019年度の全産業の経常利益は同14.9%減の71兆4385億円となり、コロナの影響で2020年度はさらに落ち込みが予想されている。

働く人の年休取得率が最高の56%に

厚生労働省の就労条件総合調査によると、2019年に企業で働く人が取得した年次有給休暇の平均日数は1人当たり過去最多の10.1日となったことが分かった。働く人に付与された日数に対する平均取得率は過去最高の56.3%となった。企業規模別にみると、従業員1千人以上の企業は11.9日だったのに対し、30~99人の企業では8.7日で、企業規模が大きいほど取得日数が多いという傾向がみられた。

大卒の「3年以内離職」は32%に

厚生労働省の発表によると、2017年に大卒者うち3年以内に離職した人の割合は前年比0.8ポイント増の32.8%だったことが分かった。高校卒業者の離職率は0.3ポイント増の39.5%だった。今年3月末までの離職を集計しているため、新型コロナウイルス感染拡大が与えた影響が出るかどうか、同省は注視していくとしている。大卒の離職率を産業別にみると、宿泊業・飲食サービス業が52.6%と最も高く、生活関連サービス業・娯楽業(46.2%)、教育・学習支援業(45.6%)が続いた。

将来、地方で暮らしたい若者は4割超に

日本財団が全国の17~19歳の男女を対象に、「将来、都市部と地方のどちらで暮らしたいか」を尋ねたところ、「地方」と答えた人は43.5%に上り、前年を4.7ポイント上回った。その理由を尋ねたところ(複数回答)、「自然環境が豊か」(51.5%)が最多で、「生活がしやすい」(50.1%)、「新型コロナの感染リスクが低い」(20.9%)が続いた。他方、「都市部」と答えた人は56.5%で、その理由で最も多かったのは「生活がしやすい」(63.4%)が挙げられた。

4~9月のクマ出没数、過去最多に

環境省のまとめによると、今年4~9月の各地におけるクマの出没数は1万3670件に上り、2016年以降で最多となったことが分かった。生息分布エリアが拡大していることが背景にあり、同省では「本来、出没が減少する夏にも増えており、今までと違う傾向が出ている」と指摘したうえで、「冬に入っても警戒は緩められない」と注意を喚起している。同省では、個体数自体が増えている可能性もあるとみており、これまで出現してこなかった地域にも備えを呼び掛けている。