企業物価指数、初の10%上昇に

日銀の4月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は前年同月比10.0%上昇の113.5だったと発表した。14カ月連続で上昇しており、上昇率は比較可能な1981年以降で最大となり、指数自体も統計を開始した1960年以降で最高となった。ロシアのウクライナ侵攻などに伴って原油や原材料が高騰していることに加え、円安で輸入価格が上昇していることが背景にある。4月の企業物価指数を品目別にみると、全744品目中533品目が上昇していた。

貿易収支、9カ月連続の赤字

財務省は4月の貿易統計で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8392億円の赤字だったと発表した。9カ月連続の赤字で、原油高や円安を背景に輸入が前年同月比28.2%増の8兆9154億円となり、比較可能な1979年以降で最高の輸入額となった。輸入は原油の高止まり傾向や日米金利差拡大基調から円安にあり、今後、高い水準で推移するとみられている。一方、輸出は鉄鋼や自動車の伸びから12.5%増の8兆762億円となった。

消費者物価指数、約7年ぶりの上昇

総務省は4月の消費者物価指数(2020年=100)は前年同月比2.1%上昇の101.4だったと発表した。消費税増税の影響があった2015年3月以来約7年ぶりの上昇の大きさとなり、日銀がデフレ脱却を目指していた物価上昇2%を突破したことになる。資源高や円安が影響したもので、エネルギーや食料品の値上がりが目立っている。その一方、3月の実質賃金は前年同月比0.2%減になっており、家計負担の重圧が増している。

NYダウ、90年ぶりに8週連続で下落

4月20日のニューヨーク株式相場は前日まで売り越し反動から小幅に反発したものの、週間でみると、8週連続での下落となった。8週連続での下落は1932年以来90年ぶりとなる。背景には、高インフレによる企業業績の悪化に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)による急速に進む利上げによる景気後退への懸念がある。FRBはインフレを抑制する立場から利上げによる金融引き締め政策を継続する方針を固めているが、市場からは逆に景気後退を招くとの懸念が強い。

5割の企業が仕入れ確保が「困難」

帝国データバンクの調査によると、50.8%の企業が「原材料などの仕入れ確保が難しくなっている」と答えていることが分かった。また、66.7%の企業が仕入れ価格の高騰の影響を受けていると答えており、原材料の高騰が企業経営に打撃を与えている実態を浮き彫りにしている。仕入れ数量の確保で影響を受けていると答えた企業を業種別にみると、木造建築工事が88.3%、木材・竹材卸売が83.6%で、木材を扱う業種が目立った。

主要企業7割がウクライナ侵攻で業績影響

共同通信社が日本の大手主要企業を対象に実施したアンケート調査によると、ロシアがウクライナ侵攻した情勢で企業の72%が業績面で「影響がある」と答えていることが明らかになった。影響があった企業が挙げた具体的な内容では(複数回答)、「国際的なエネルギー資源価格の上昇」が最多の68%で、「物流費の上昇」(45%)、「サプライチェーンの混乱」(35%)が続いた。コスト上昇で企業が打撃を受けている実態があり、今後、円安もあり、幅広い商品価格の上昇が不可避であることが確実視される。

今春の大卒生の就職率、2年連続低下

厚生労働省と文部科学省の発表によると、今年3月に卒業した大学生の就職率は95.8%だったことが明らかになった。前年は新型コロナウイルス感染拡大で過去2番目の下落幅を記録したが、今年はこれをさらに0.2ポイント低下し、2年連続で前年を下回ったことになる。背景には、コロナ禍で業績が低迷した業種での採用を手控える動きが見られたことがある。経済の本格再生には道程が遠いことを浮き彫りにしている。

住宅地周辺に緑地ある人は脳卒中減少

スペインの研究者らの発表で、住宅地の周辺に緑地がある人はない人に比べ脳卒中を発症するリスクが16%低下していることが分かった。スペインの医療システムから18歳以上の健康な男女約352万人のデータを基に、2年間追跡調査したもの。自宅から緑地までの距離、二酸化炭素・微小粒子状物質・ブラックカーボンなどの大気汚染物質にさらされた割合、脳卒中の発症率との関係を調べた結果、大気汚染物質が多い地域に住む人は脳卒中発症リスクが高く、自宅から300メートル以内に緑地がある人は、ない人に比べ発症割合は16%低かった。